労働移動支援助成金によってリストラが加速されるのは確実です

企業が労働者をリストラする際、企業がその労働者の再就職を支援すると国からお金がもらえるという労働移動支援助成金が3月から大幅に拡充される。尚、労働移動支援助成金で必要な財源については、1175億円の財源が与えられていた雇用調整助成金を半額の545億円にして、その削減分の一部である300億円を回すことが決定している。

雇用調整助成金は、企業が一時的に業績が悪化して休業状態に追い込まれたときに有能な社員をリストラしないようにする為の助成金だった。休業期間中の労働者の給料を国が支払うことで、特に中小の製造業は自社で育てた有能な労働者をリストラすることなく何とか踏ん張ってこれたのである。しかし3月からその財源を半減し、労働移動支援助成金すなわちリストラ支援助成金に回すというのだから労働者の立場はさらに悪くなる。

厚労省の説明では労働移動支援助成金というのは労働者を業績の悪い産業から成長産業に転職しやすくする為の制度ということだが、実際にお金が支払われるのは転職しようとしている労働者本人ではなく、リストラをする(再就職支援を行った)企業である。そして再就職支援は努力義務であるので、再就職先が見付からない場合でも企業は許される。

これで制度上の雇用の流動化がさらに加速すると予測できるが、失業者や非正規労働者がさらに世にあふれることも予測でき、また現在人手不足の成長産業が何であるのかというと医療・介護事業そして震災復興や東京五輪開催で人手不足が深刻化している建設業であるので、実際に雇用の流動化がスムーズに行われるとは考えにくい。

派遣法改正とあわせて考えると、正規から非正規への転換も加速することは目に見えているので、もし自ら転職を希望する場合でも本当に転職をした方が良いのかどうかを今まで以上にじっくり考えてから行動をしなければ大損をすることになりかねない。転職先の会社の現在の業績や将来性はもちろんのこと、過去に大規模なリストラやホワイトカラー部門のアウトソーシング化を行っているのならその状況なども観察して、本当に転職するかどうかを決断し、仮に転職に成功してもその数年後に転職先でリストラされないようにして頂きたい。

参考
朝日新聞 
リストラ促す助成金、3月から拡充 政府の成長戦略
www.asahi.com/articles/ASG2P4PP7G2PULFA01F.html

30代の転職スタイルガイド
xn--30web-ek2ho570awdya.net